「仕事を辞めさせてくれない!( ノД`)」人手不足でも気にせず辞めましょう
「仕事を辞めさせてくれない」と悩んでいる人は少なくないはずです。
その理由の一つに「人手不足であることを実感しているので、なかなか言い出せない」というものがあります。
また、「仕事を辞めたいと相談をしたものの、人手不足と言われて引き留められた」という方もいるでしょう。
ただ、この人手不足というのは完全に会社側の落ち度でしかありませんから、気にする必要はありません。
よく分からない理由で人手不足を従業員のせいにしてくる企業もたまにありますが、まともに取り合う意味はありません。
正式な手続きを踏んで退職申請をすれば問題なく辞められますから、すぐに動き出しましょう。
ちなみに人手不足になる原因
「雇用条件が悪いせいで人が集まらない」
「従業員の扱いが悪いせいで人が定着しない」
などがあります。本当に人を集めたいのであれば社員を大切に扱うべきなのですが、特にブラック企業はそれをしません。
いずれにせよ退職・転職する場合は、待遇の良い転職先を選ぶことをおすすめします。
上司が優しいと退職しにくくなる?
とにかく正式に手続きをすれば退職することは可能なのですが、中には「本当に人が足りないからなんとか留まってくれませんか?」などと上司に優しく声をかけられると、辞めることをためらってしまう人もいます。
また、「辞めたいとは思っているものの、これまで上司などにお世話になってきたことは確かなので相談しにくい」というケースもあるでしょう。
ただ、これについても本当に辞めたいのであればできるだけ早く退職するべきです。
あなたは「上司のため・会社のため」ではなく、「自分のため」に働いているはずだからです。
大事な自分自身が苦しい思いをしているなら思い切って辞めてしまいましょう。
それに上司側としても「優しく接すれば、辞めにくくなるだろう」「優しく対応して、使い潰そう」などと考えているかもしれません。
なぜ仕事を辞めさせてくれないのか?
では、なぜ企業は「辞めさせてくれないの?」でしょうか。
主な理由としては、「離職率を高くしたくない」「人手が足りない」「金銭的な問題」「上司が自分の評価を下げたくない」などがあります。
それぞれに関して解説していきます。
・離職率を高くしたくない
企業としては離職率を上げたくありません。なぜなら会社としてのイメージが悪くなり、求職者から避けられやすくなるためです。
・人手が足りない
先ほども話題に出しましたが、人手不足の企業は「退職したい」と伝えてきた人を引き留めるかもしれません。
特に厳しい状況にある会社の場合、「一人でも抜ければ回らなくなる」ということもあり得ます。
また、「繁忙期だからそれを過ぎるまでは退職しないでくれませんか・・・」と頼まれるパターンもあります。
・金銭的な問題
新しい人材を雇用し、戦力として使える状態にまで育てるにはかなりのコストがかかるものです(特に転職エージェントを利用する場合、一人雇うだけでも100万円以上の出費になり得ます)。
そのため金銭的な余裕がない会社の場合、退職の意思を伝えてきた人を引き留めるかもしれません。
・上司が自分の評価を下げたくない
「離職者が多い部署の責任者(などの重要なポジションの社員)は、評価がダウンする」という企業も少なくありません。
こういった会社の場合は退職の意思を伝えると、目の色を変えて引き留めようとしてくるかもしれません。
結論:何を言われても辞めればいい!!
「ここまで引き留めてくる理由」を色々とお伝えしてきましたが、結局のところ「何を言われても辞めればいい」ということになります。
難しく考える必要はありませんし、「なぜ引き留めてくるのだろうか」「会社側が何か事情を抱えているのだろうか」などと思考を巡らせることは無意味です。
どのような理由であっても、企業が社員の退職を引き留めることは認められません。これは憲法で決められていることです。
ちなみに最近ではブラック企業が多くなったことから、憲法における「職業選択の自由」のことを「退職の自由」などと呼ぶケースも少なくありません。
また、民法627条では「雇用期間を決めなかった場合、常時解約の申請をすることが可能。この場合、申請から14日で契約が終了する」と定められています。
簡単に言えば「退職の申請をしてから14日で辞められる」ということです。
仕事を辞めさせてくれない違法な引き留め事例を紹介!
「考え直してくれませんか・・・・」と引き留めてくるだけであれば合法です。
しかし、違法な引き留め行為をしてくる企業もありますから具体例を挙げていきます。
・退職届を受理しない
上司などの物腰がどれだけ柔らかいとしても、退職届を受理しないのは違法です。
それでも上司に退職の意思を伝えたのであれば14日後に退職できますが、「言葉だけで退職の報告をする」と、言った・言わないで揉めることになる可能性が高いです。
特にブラック企業の場合、まず間違いなく「退職の意思など聞いていない」と言ってくることでしょう。
・損害賠償請求をしてくる(しようとして脅してくる)
労働基準法の16条に「労働契約の不履行に対して違約金を設定したり、損害賠償を予定する契約をしたりすることを禁じる」と記載されています。
つまり退職する社員に対して違約金を払わせたり、損害賠償請求をしたりしてはならないということです。
また、「退職金や給料を払わない」「退職金や給料から、損害賠償金や違約金の分を差し引く」というパターンもあります。
もちろんこれも違法であり、企業としては辞めていく社員に対しても所定の給料・退職金を支払う義務があります。
ちなみに退職後でも「払われなかった分の給与・退職金」の請求をすることが可能です。
ただ、責任者などのポジションにあった仕事を放棄するような形で会社を辞めてしまい、それが原因となって損失が発生したのであれば、損害賠償請求をされてもおかしくありません(この場合、請求をすることは合法になり得ます)。
・「懲戒解雇」にしようとする
労働基準法15条にて、「懲戒解雇とは、犯罪行為や規律違反をしたケースにおける解雇処分のこと」と定められています。
具体的に言うと、14日以上バックレた(飛んだ)、経歴詐称をした、犯罪をしたなどのことがない限りは、懲戒解雇されることはあり得ません。
そして正当な理由もなく社員を懲戒解雇扱いにすることは違法です。
懲戒解雇されると離職票にそのことが書かれてしまいますし、退職金をもらえなくなる可能性もあります。
ですから、「懲戒解雇であっても、辞められるから構わない」とは考えないようにしましょう。
「退職の意思を伝えたこと」を理由に懲戒解雇を受けたのであれば、その解雇を無効にすることが可能ですし、企業への損害賠償請求ができる場合もあります。
・有給休暇を取らせない
通常であれば、退職するにあたって「残りの有給休暇を消化して、実質的な退職日を早くする」というのはよくあることです。
しかし悪質な企業の場合、その有給休暇を取らせないケースがあります(普段から取らせないかもしれませんが)。
ですが、「有給休暇を取らせない」というのは労働基準法39条に違反しています。
ちなみに「有給休暇を取る理由」を会社側に伝える義務はありません。聞かれても「一身上の都合」や「私用のため」と答えれば問題はありません。
・「後任が決まるまで残ってほしい」と言ってくる(基本的に合法)
「後任が決まるまでで良いから残ってほしい」と伝えてくること自体は違法ではありません。
それでも辞めたいのであればすぐに退職しても構いませんが、「では残ってあげよう」と決めたのであれば、「後任が決まらなくても、○か月経過したら辞めます」と伝えることを強く推奨します。
そうしないと辞めにくくなって、ずるずると会社に居続けることになるかもしれません。
会社を辞めたいけど引き留められた際に辞める方法・心構え!
それでは会社から引き留められたときにスムーズに退職するための心構えや方法を紹介していきます。
・「退職後」のことはあなたとは無関係です
色々と気になることもあるかもしれませんが、「退職後」のことはあなたとは無関係のはずです。
ですから難しく考えず、「辞めたいから辞める」というスタンスで構いません。
もし、会社に対してマイナスな感情を抱いているのであれば尚更のことです。
「後のことなんて知ったことではない」くらいの気持ちでいましょう。
また、あえて言いますが「私が抜けると困る」などということもないと考えてください。
確かにしばらくは業務に支障が出るのかもしれません。
ですが、いずれは何とかカバーするものです。
「私の代わりなんていない」などと思い込まず、サッと辞めてしまいましょう。
・退職の意思を明確に伝える
「○月○日に退職します。こちらが退職届ですので提出します」と、「意思」と「期日」を明確に伝えてください。
具体的な退職日については14日が経過して以降であればいつでも構いませんから、何かやり残したことがあれば1か月後や2か月後にしても良いでしょう。
ただ、いずれにせよ「100%私が決める」というスタンスで臨んでください。
逆に「退職したいと考えています……」などの曖昧・弱気な態度ではいけません。
「そんなこと言わないでさあ」とはぐらかされるかもしれませんし、
「じゃああと1か月頼むよ」などと言われて、その後もずっと辞められなくなる恐れもあります。
・転職先を決めておく
また、退職の意思を伝える前に、転職先を決めておくのもおすすめです。
こうすれば引き留められたとしても、「もう転職先の入社日も確定していますから」と言えばそれで話が終わります。
ただし「精神的に辛いので一刻も早く辞めたい」という場合は、
「転職先が決まるまで、今の職場で働き続ける」ことが多大なストレスになるでしょうから
「とりあえず退職して、落ち着いてから転職活動をする」という選択をしても構いません。
ちなみに「今の会社を辞めようか悩んでいる」という場合は、転職サイトなどを眺めてみることをおすすめします。
具体的な転職活動は始めないとしても、「こんなに会社があるのだから、いつ辞めても大丈夫」という気持ちになることができ、心が軽くなるかもしれません。
それでも仕事を辞めさせてくれない・辞めにくい場合の対処方法は?
ここまで紹介した手段を採っても辞めさせてくれない・辞めにくいのであれば以下の方法を実行しましょう。
・労基(労働基準監督署)に駆け込む
労基とは「各種労働問題に関する相談ができる機関(厚労省の管轄)」であり、企業が最低賃金法や労働基準法などを破っていないかどうか監督する役目があります。
労基にはTELや電話で無料相談をすることができますので、何かあれば早めに頼りましょう。
ちなみに自分から言い出さない限りは、「労基に相談した」とバレることはありません。
相談後、労基は会社に対して勧告をしたり、企業を訪問調査したりします。
・退職代行サービスを利用する
退職代行サービスに依頼を出すと、その業者が退職手続きや関連する処理を引き受けてくれます。
申し込むと原則としてそれ以降あなたがすることはなくなり、会社に行ったり、上司と顔を合わせたりすることなく辞めることができます。
また、基本的に即日退職することが可能です(今依頼すれば明日から出社する必要がなくなる)。
サポートが充実しているのは「弁護士」か「労働組合」が運営する退職代行サービスです。後者の方が料金は大幅に安いですからおすすめします。
そして中には怪しい退職代行業者もありますから、無名のところは避けたほうが良いかもしれません。
ちなみに退職代行サービスを使うことは完全に合法ですから安心してください。
たまに「退職代行サービスを利用するのは無責任である」などの口コミも見かけますが、気にする必要はありません。
そういったことを言う人は、退職のことで悩んだ経験がないのでしょう。
鬱病などの場合は診断書を提出する
また、「鬱病です」などと言っても退職させてくれないのであれば、診断書を提出することをおすすめします。
診断書は「鬱病である」という揺るぎない証明になるからです。
そして、診断書があれば何らかの理由で職場から訴えられたとしても証拠として使えますから、鬱病なのであれば診断書を発行してもらうことを推奨します。
では、診断書をもらう方法について解説していきます。
※診断書をもらうことは必須ではありません。診断書がなくても退職届を出せば辞められます。
・診断書をもらう方法は?
1:まずは精神科か心療内科に行く
どの病院でも構わないので精神科か心療内科に足を運んでください。
2:鬱病と診断される
診断の結果、鬱病と診断されたとします(何回か通わないと鬱病という判断が下されないケースもあります)。
3:診断書の発行を頼む(有料)
基本的に自分から「診断書の発行をお願いします」と頼まないと、診断書を書いてもらうことはできません。
忘れずに依頼してください。ただし、後からもらうことも可能です。また、診断書をもらうための料金は2000~5000円程度です。
4:鬱病と診断されなかった場合は別の医療機関に行く手もある
そして鬱病と診断されなくても、別の医療機関に行くと鬱病と判断される可能性もあります。ですからどうしても診断書が欲しいのであれば試してみましょう。
ただ、診断書がなくても、退職届を会社に提出すればその14日後には辞めることができます。そのため「診断書をもらうこと」にこだわる必要はありません。
鬱病を理由に退職する際に気を付けるべきこと!
診断書を提出して退職の意思を伝えても、「休職」をすすめてくる可能性が高いです。
それでも退職したいのであれば明確に断り、すぐに辞めてしまいましょう。
わずかでも迷いがあると上司などに言いくるめられて休職で済まされたり、そのまま出勤させられ続けたりする恐れがあります。
ただ、あなた自身が退職か休職かを決め切れないのであれば、一旦休職するというのも良いでしょう。
そして心身を回復させて、折を見て復職するという選択肢もあります。その後、退職したくなったら、今度こそ退職しましょう。
辞めさせてくれなくてもバックレ(飛ぶ)をしてはならない5つの理由
強引に引き留められたり、精神的に追い込まれたりすると、つい「バックレ(飛ぶ)(無断で会社を休む)」をしたくなるかもしれません。
ですがバックレ(飛ぶ)をすることに何もメリットがなく、それどころか後々大変なことになってしまう可能性があります。
ここからはバックレ(飛ぶ)をしてはならない理由を5つ挙げていきます。
1:何回も連絡がくる
バックレ(飛ぶ)をした初日の段階で、上司などから繰り返し電話やメールが来ることでしょう。
もちろんこれは嫌がらせではありません。
「なぜか部下が会社に来ない」のですから当たり前の対応です。
- 単なる寝坊だろうか
- 病気や不慮の事故だろうか
- 今日は会社に来るのだろうか
など、上司としても焦ります。
また、上司からの連絡を無視しても、別のTEL番号やメールアドレスからアプローチしてくるはずです。
バックレた(飛ぶ)側からきちんと対応しない限り、いつまでも連絡が止まらないことでしょう。
2:親(家族)に連絡がくる
「本人に連絡がつかない」となれば、今度は親に連絡がいくはずです。これも会社からすれば当然の対応です。
- バックレたことは家族にバレる
- (バックレる(飛ぶ)だけの事情があるとしても)家族が理解を示してくれるとは限らない
- 家族からの信頼を失う可能性がある
などのことがありますから何があってもバックレ(飛ぶ)をしてはなりません。
3:懲戒解雇になりかねない
懲戒解雇になるとそれ以降の転職活動で不利になる可能性があります。
自分から「前の会社を懲戒解雇されました」と報告しない限り、知られることはあまりないものの、「退職証明書」や「離職票」を見れば分かってしまうこともあります。
ちなみに試用期間中でも、バックレれば懲戒解雇になってもおかしくありません。
4:離職票をもらうのが遅くなる
バックレると離職票などの書類をもらうのが遅くなるかもしれません。
そもそもバックレたとしても「書類の手続きがあるから来なさい」という流れになる場合が多く、一時的に逃げることができても、また辛い思いをするだけです。
ですから、やはりバックレる(飛ぶ)のは厳禁です。
5:(懲戒解雇でなくても)以降の転職活動で不利になりかねない
バックレたことが他の企業にも分かってしまう可能性もあります。
特に狭い業界の場合、あっさりと伝わってしまってもおかしくありません。
そうなればもちろん転職活動で不利になることでしょう。
そういったケースでは、これまでと別の業界に挑戦するという手もありますが、積み上げてきたキャリアをリセットするのはあまりにももったいないと言えるでしょう。
6:転職後も怯え続けることになる可能性も
無事転職に成功したとしても、
「バックレた会社の社員から連絡が来ないだろうか」
「過去の上司と、街中で偶然会ってしまわないだろうか」
などと怯え続けてしまう方も少なくありません。
中には5年以上経っても完全には恐怖が抜けない人もいるようです。
退職拒否や引き留めはパワハラに該当するのか?
パワハラかどうか判断する基準はこれら4点です。
- 職場における地位や、立場上の優位性を悪用しているか
- 職場の環境を悪くさせているか
- 身体的、精神的苦痛を及ぼしているか
- 業務の適性範囲を超えているか
そのため退職拒否や引き留め行為が、これらに該当するのであればパワハラであるとみなされる可能性があります。
ただ、とにかくパワハラであろうがなかろうがきちんと退職の意思を伝えれば14日後には退職できます。
訴えるのであればパワハラか否かにはこだわるべきかもしれませんが、そうでなければ特に考える必要はないでしょう。
体調不良を理由に退職する人も多い
体調不良を理由に退職する人も少なくありません。雇用期間が決められていないのであれば体調のことをも含め、どのような理由であっても退職することが可能です。
ですから、無理をせずに早めに休職か退職・転職をしましょう。
体調不良のまま無理に仕事を続けるとどうなるのか?
では、体調を崩したまま無理に仕事を継続するとどうなるのでしょうか。
主なパターンを挙げていくのでご覧ください。
・体調不良がエスカレートしていく
体調不良であるにもかかわらず仕事を続けていくと、体調不良がエスカレートして自律神経失調症や鬱病などに陥る可能性があります。
そして限界を迎えたらさすがに仕事を辞めたり、倒れて辞めざるを得なくなったりするでしょう。
しかしそうなるとなかなか体調が元通りにならないかもしれませんし、精神的にもボロボロになって、働くことに関して強いトラウマが残ることになる恐れもあります。
大変な事態になる前に早めに退職しましょう。
・仕事のパフォーマンスが極端に落ちる、ミスが増える
また、仕事のパフォーマンスが下がってミスが増え、周囲に迷惑をかけることになるかもしれません。そうすると仕事に関する自信を喪失して、さらに辛い状態になることでしょう。
「会社のためにも辞められない」という気持ちもあるかもしれませんが、取り返しのつかない失敗をすれば、職場に対して大ダメージを与えることになるかもしれません。
ですから体調不良であれば自分の健康を優先し、休職か退職をしましょう。
また、「ロクな職場ではないし体調も悪いから辞めたいけれど、会社のためにも仲間のためにも辞めにくい」という場合は、「私が辞めることこそ、周りのためになる」と考えてみましょう。
するとスッと気持ちが楽になり、すんなりと退職へと向かっていくことができるかもしれません。