この記事を書いた人:ミナト先生
元中学校教員 / スクールライフ・アドバイザー
教員時代、担任したクラスの文集作りで「伝説の文集」を生み出した経験を持つ。現在は「先生の視点(安心・安全)」と「生徒の視点(面白さ・攻めた企画)」の架け橋となり、生徒主体の学校行事を応援する記事を執筆中。
「黒歴史を作らせない、一生笑える思い出作り」がモットー。
「ランキングのネタ、ありきたりなものしか思いつかない…」「一部の人しか盛り上がらないのは嫌だ」
卒業対策委員の君は今、そんな悩みを抱えていませんか?
せっかくの卒業文集、クラスのみんなが「これ最高!」って言ってくれるような、特別なページを作りたいですよね。
結論から言います。最高のクラスページを作る鍵は、「全員No.1」の称号を与えることです。
この記事では、元教員の私が、誰も傷つけずに爆笑を生む「黒歴史にならないポジティブ変換術」と、クラスの一体感を生む「先生巻き込み企画」を伝授します。これを読めば、明日の委員会で「それ、絶対やろう!」とみんなが食いつく企画案が作れますよ。
なぜ「普通のランキング」は失敗するのか?【黒歴史回避の法則】
「うるさい人ランキング」や「空気が読めない人ランキング」。
ちょっと待って! そのネタ、本当に大丈夫?
正直に言いますね。ネガティブな要素を含むランキングは、10年後の同窓会で「黒歴史」として君たちを苦しめることになります。
「先生に怒られるからダメ」なのではありません。「自分たちのために」避けるべきなのです。
中学3年生の今は「面白い」と思っている内輪ネタも、大人になって読み返すと「なんでこんな酷いこと書いたんだろう」と、顔から火が出るほど恥ずかしくなることがよくあります。これを私は「卒業文集の黒歴史化現象」と呼んでいます。
また、一部の目立つ人だけがランキングを独占してしまうと、名前が出なかったクラスメイトにとっては「自分は関係ないページ」になってしまいます。これでは、クラス全員の思い出にはなりませんよね。
目指すべきは、「クラス全員が主役」になり、かつ「誰も傷つかない」企画。
「そんな都合のいいネタ、あるわけないじゃん」と思いましたか?
実は、あるんです。それが次に紹介する「ポジティブ変換」という魔法です。
魔法の「ポジティブ変換」!全員にNo.1の称号を与えるテクニック
ここからは、この記事の核となるテクニックを解説します。
それは、ネガティブな特徴をポジティブな称号に変換することで、将来の恥(黒歴史)を防ぎつつ、全員を主役にする「ポジティブ変換ランキング」です。
例えば、「うるさい人」をそのままランキングにすれば悪口ですが、「クラスのムードメーカー No.1」と言い換えれば、それは立派な褒め言葉になります。
この「ポジティブ変換ランキング」こそが、リスク管理と面白さを両立させる最強の手段なのです。
具体的な変換リストを用意しました。これを参考に、君のクラスのメンバー全員に当てはまる「No.1」を探してみてください。

専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: ランキングの項目を決める前に、まず「クラス全員の名前」を書き出し、全員が必ず1つはランクインするように項目を調整してください。
なぜなら、この点は多くの人が見落としがちで、項目ありきで進めると「また〇〇君が入ってる」という偏りが必ず起きるからです。「この項目なら△△さんが輝く!」という逆転の発想で企画を作ることが、全員満足への近道です。
先生も「ネタ」にしちゃえ!クラスが一つになる「先生のトリセツ」
生徒だけのランキングもいいけれど、もっとクラスの一体感を生む方法があります。
それは、共通の話題である「先生」を掘り下げる「先生のトリセツ(取扱説明書)」企画です。
先生は、クラス全員が知っている唯一の「共通のキャラクター」です。
普段は真面目な先生の、意外な一面や可愛げを引き出すことができれば、そのページは間違いなく盛り上がります。ここで重要なのは、「先生のトリセツ」がクラスの団結を生む触媒になるということです。
ただし、いじりすぎて怒られないか心配ですよね?
ポイントは「敬意」と「いじり」のバランス。先生へのインタビューで使える、絶対に盛り上がる質問テンプレートを紹介します。
【先生への突撃インタビュー!質問テンプレート】
- 初恋はいつですか?相手はどんな人?
- (鉄板ネタ!先生が照れる姿を見るだけで生徒は盛り上がります)
- 学生時代の最大の「やらかし(黒歴史)」を教えてください!
- (失敗談は親近感を生みます。「先生も昔は生徒だったんだ」と思わせたら勝ちです)
- 奥さん(旦那さん)へのプロポーズの言葉は?
- (冷やかされつつも、幸せな話はみんな大好きです)
- もし先生になっていなかったら、何になっていましたか?
- (意外な特技や夢が聞けるかもしれません)
先生紹介のページは、PTA広報誌などでも人気のある企画です。先生のプライベートな一面や意外な素顔を紹介することで、親近感がわき、先生と生徒、保護者の距離が縮まります。
出典: 学校PTA広報誌の作り方 - 筆者要約
面倒な集計はサヨナラ!Googleフォームで「全員参加」を実現する
企画が決まったら、次はアンケートの実施です。
でも、紙でアンケートを配って、回収して、「正」の字を書いて集計して…なんてやっていませんか?
そのやり方だと、集計だけで日が暮れてしまいますし、集計ミスも起きやすいです。
ここで提案したいのが、集計の手間を減らし、全員の意見を反映しやすくする支援ツール「Googleフォーム」の活用です。
最近はGIGAスクール構想で、一人一台タブレットを持っている学校も多いはず。これを使わない手はありません。
紙のアンケートとGoogleフォーム、どれくらい効率が違うのか比較してみましょう。
「紙のアンケート」vs「Googleフォーム」効率比較
| 比較項目 | 紙のアンケート | Googleフォーム |
|---|---|---|
| 準備 | 印刷・配布の手間がかかる | URLを送るだけで完了 |
| 回収 | 未提出者の管理が大変 | 自動で提出状況がわかる |
| 集計 | 手作業で数時間〜数日 | 一瞬で自動集計 |
| グラフ化 | パソコンで作り直す必要あり | 自動でグラフが生成される |
| 自由記述 | 手書き文字の判読が大変 | コピペでそのまま使える |
Googleフォームを使えば、集計作業が0秒になります。
空いた時間で、ページのデザインを凝ったり、イラストを描いたりすることに時間を使えますよね。
また、Googleフォームは「匿名性」を担保しやすいのもメリットです。「誰が書いたかわからない」設定にすれば、普段は大人しい子も、面白い本音を書いてくれるかもしれませんよ。
Googleフォームを使えば、アンケートの集計作業を大幅に短縮できます。自動でグラフが作成されるため、そのまま文集の素材として活用することも可能です。
出典: さくさくブログ - 筆者要約
よくあるトラブルQ&A
最後に、文集作りでよくあるトラブルと、その解決策をQ&A形式で紹介します。
Q. クラスページに載せる写真が全然ありません!
A. 今からでも遅くない!「日常」を撮ろう。
行事の写真は学校のカメラマンが撮っていますが、文集で本当に面白いのは「日常の風景」です。休み時間の何気ない様子、黒板の落書き、掃除中のふざけた姿。スマホやタブレットで、今から意識して撮りためておきましょう。
Q. アンケートの締め切りを守ってくれない人がいます…
A. 「その場でインタビュー」作戦に切り替えよう。
何度言っても出さない人は、書くのが面倒なだけかもしれません。委員がその人のところへ行き、「ねえ、今ここで聞くから答えて!」と口頭で聞いて、その場で入力してしまいましょう。
Q. ページのデザインセンスに自信がありません。
A. 「手書き文字」を活かして味を出そう。
プロのようなデザインにする必要はありません。むしろ、クラスのみんなの手書きメッセージやイラストを切り貼りした「コラージュ風」の方が、温かみがあって卒業文集らしくなります。
まとめ & CTA
卒業文集は、一生残る宝物です。
だからこそ、「ありきたり」で終わらせず、「全員No.1」の精神で、クラス全員が輝くページを作ってください。
- ポジティブ変換で、ネガティブを笑いに変える。
- 先生のトリセツで、クラスの団結を形にする。
- Googleフォームで、スマートに全員参加を実現する。
この3つがあれば、君のクラスのページは間違いなく「伝説」になります。
さあ、まずはこの記事で紹介した「ポジティブ変換リスト」をメモして、明日の委員会で提案してみましょう!
君のクラスだけの、最高の卒業文集ができることを応援しています!
[参考文献リスト]