著者プロフィール:ココ先生
親子学習アドバイザー / 元小学校教諭。15年間の教員生活で3,000人以上の児童を指導。「国語嫌いを作らない」をモットーに、家庭で親が楽しく教えられる言語化メソッドを発信中。佐藤恵さんのような「宿題指導に悩むお母さん」の強い味方。
恵さん、お子さんの宿題を見ていて「ねえ、なんでこっちは音読みなの?」と聞かれ、ドキッとしたことはありませんか?「中国から来たのが音読みだよ」と説明しても、お子さんが「ふーん……」と納得いかない顔をしたり、逆に「じゃあ『本』はなんで音読みなの?」と鋭い質問をされてフリーズしてしまったり。
実は、音読みと訓読みの違いを教えるのに、難しい定義は一切不要です。大事なのは、お子さんの「耳」と「想像力」に訴えかけること。
今日は、私が教室で子供たちに大ウケした「電話テスト」と「輸入品ラベル理論」をお伝えします。この記事を読み終える頃には、恵さんは「教え上手な魔法のお母さん」として、お子さんと一緒に漢字の探検を楽しめるようになっているはずですよ。
耳で聞くだけ!3秒でわかる「電話テスト」の見分け方
お子さんに音読みと訓読みの違いを教えるとき、最も直感的で失敗しない方法が「電話テスト」です。
やり方はとても簡単。お子さんにこう語りかけてみてください。
「もしもしって電話をして、その読み方だけで意味が通じるか試してみよう!」

「山(やま)」と言えば、誰でも頭の中に緑の山の絵が浮かびます。これが訓読みです。
一方で「サン」と言われても、「太陽のサン?」「数字の三?」と迷ってしまいますよね。このように、一言だけでは絵が浮かばないのが音読みです。
この「耳で聞いた時の納得感」こそが、子供が最もスムーズに理解できるアルゴリズムなのです。
なぜ2つあるの?「輸入品とラベル」の納得ストーリー
「なんで1つの漢字に読み方が2つもあるの?」というお子さんの根本的な疑問には、漢字の歴史を「お買い物」に例えたストーリーで答えてあげましょう。
漢字はもともと、お隣の国である中国で作られた「輸入品」です。
- 音読み(輸入品の名前): 漢字が日本にやってきたとき、中国の人が呼んでいた名前をそのまま真似したのが「音読み」です。
- 訓読み(日本のラベル): でも、それだけだと日本人は意味がわかりません。そこで、もともと日本にあった言葉を「説明ラベル」として貼り付けたのが「訓読み」なのです。
音読みは「中国での呼び名」、訓読みは「日本での意味」。
「外国から来たおもちゃに、日本語の説明シールを貼ってあげたんだよ」と伝えると、お子さんは「なるほど、だから2つあるんだ!」と、漢字の成り立ちを物語として受け入れてくれます。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 「中国=音」「日本=訓」という対比を、身近な輸入品(文房具や果物など)に例えて話してあげてください。
なぜなら、子供にとって「歴史」は遠い世界の話ですが、「輸入品に日本語のラベルを貼る」という行為は日常のイメージと結びつきやすいからです。この納得感があると、丸暗記の苦痛が「ルーツ探し」の楽しさに変わります。
テストで迷わない!「送り仮名」と「熟語」の絶対ルール
「電話テスト」で感覚を掴んだら、次はテストや宿題で100%正解するための「絶対ルール」を授けてあげましょう。恵さんが横でチェックする際も、この基準があれば迷いません。
特にお子さんに伝えてほしいのが、「送り仮名の法則」です。
📊音読み・訓読みの見分け方チェックリスト
| 判別ポイント | 音読み (Onyomi) | 訓読み (Kunyomi) |
|---|---|---|
| 耳で聞いた時 | 意味がわかりにくい (例: クウ) | 意味がすぐわかる (例: そら) |
| 送り仮名 | つかない | つくことがある (例: 空く) |
| 辞書の表記 | カタカナで書かれる | ひらがなで書かれる |
| 熟語の組み合わせ | 音 + 音 (例: 登山) | 訓 + 訓 (例: 山登り) |
「送り仮名がついている漢字は、100%訓読みだよ」。
これは例外のない最強のルールです。テストで迷ったとき、この一言がお子さんの救いになります。
また、熟語(漢字が2つ並ぶ言葉)は、「音読み同士」か「訓読み同士」で組むのが仲良しのルール(約8割の法則)であることも教えてあげてください。片方の読み方がわかれば、もう片方も推測できるようになります。
「本」や「門」はなぜ音読み?子供の鋭い質問への返し方
お子さんが学習を進めると、「お母さん、『本(ホン)』は一言で意味がわかるのに、なんで音読みなの?」と鋭い質問をしてくることがあります。これは恵さんがフリーズしやすいポイントですが、実は「威厳を見せるチャンス」です。
そんなときは、こう答えてあげてください。
「それはね、その漢字が日本に馴染みすぎて、特別に合格をもらった『エリート音読み』なんだよ!」
本来、音読みは一文字では意味が通じにくいものですが、「本(ホン)」「門(モン)」「肉(ニク)」などは、あまりに便利なので日本人が一文字で使うことを許した特別な存在です。
「基本のルールを知った上で、例外を『エリート』として楽しむ」。
この余裕のある教え方が、恵さんへの尊敬の念を深め、お子さんの知的好奇心をさらに刺激します。
まとめ & CTA
音読みと訓読みの教え方、もう迷いませんね。
- 電話テスト: 耳で聞いて意味が通じれば訓読み。
- ラベル理論: 漢字は中国の輸入品(音)に、日本のラベル(訓)を貼ったもの。
- 絶対ルール: 送り仮名があれば100%訓読み。
恵さん、宿題の時間は「正解を教える時間」ではなく、「親子で言葉のルーツを探検する時間」です。さあ、今すぐお子さんの横に座って、「これ、電話テストしてみようか!」と声をかけてみてください。お子さんの「なるほど!」という笑顔が、すぐそこまで来ていますよ。
【参考文献リスト】