「せっかくのマイホーム、外構もこだわりたいけれど、建物にお金をかけすぎて予算が残っていない……」
「ハウスメーカーの見積もりを見たら、フェンスだけで100万円超え。でも、安いメッシュフェンスで妥協して、家全体が安っぽく見えるのは絶対に嫌だ」
そんなジレンマに頭を抱えていませんか?
実は、外構のプロは、すべてのフェンスにお金をかけているわけではありません。限られた予算の中で、いかに高級感のある外観を作り出すか。その答えは、「見せ場」と「抜き所」を使い分けるメリハリ配分にあります。
この記事では、1級エクステリアプランナーの私が、予算を抑えつつ、まるで高級住宅のような外構を実現するための「賢いフェンス選び」と「プランニングの極意」を伝授します。
[著者情報]
山田 匠(やまだ たくみ)
外構コストカッター / 1級エクステリアプランナー。
予算100万円以下の外構リノベーションを年間50件以上担当。「限られた予算で最高に見せる」をモットーに、施主支給のサポートやコストダウンの裏技を提案する頼れる兄貴分。
「安い=メッシュ」だけじゃない!プロが推すコスパ最強素材「人工木フェンス」の実力
まず、「おしゃれなフェンス=高い」という思い込みを捨てましょう。
確かに、アルミ形材に木目のラッピングを施した「アルミ木目調フェンス」は高価です。しかし、今プロがこぞって採用している「人工木(樹脂)フェンス」をご存知でしょうか?
人工木フェンスは、樹脂に木粉を混ぜて作られた素材で、見た目や手触りは本物の木と見間違うほどリアルです。それでいて、腐食やシロアリの心配がなく、メンテナンスフリー。
そして何より、価格がアルミ木目調フェンスの約6割で済むという圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。
📊フェンス素材別・価格と特徴の比較(幅2mあたりの本体価格目安)
| 素材 | 価格目安 | 高級感 | 耐久性 | コスパ |
|---|---|---|---|---|
| スチールメッシュ | 約3,000円〜 | △ | ◯ | ◎ |
| アルミ形材(シンプル) | 約10,000円〜 | ◯ | ◎ | ◯ |
| 人工木(木目調) | 約15,000円〜 | ◎ | ◎ | ◎(最強) |
| アルミ木目調 | 約25,000円〜 | ◎ | ◎ | △ |
| 天然木(ハードウッド) | 約20,000円〜 | ◎ | △(メンテ要) | △ |
このように、人工木フェンスは「安さ」と「おしゃれ」を両立できる、まさに救世主のような素材なのです。
予算50万円で差がつく!「表は木目、裏はメッシュ」の黄金比率プランニング
次に重要なのが、「どこにどのフェンスを使うか」というプランニングです。
家の周囲すべてを高級なフェンスで囲う必要はありません。プロは以下のように使い分けます。
- ファサード(道路面・玄関周り):
ここが「家の顔」です。予算を集中させ、人工木フェンスでしっかりと目隠し&ドレスアップします。高さも1.6m〜1.8m確保し、プライバシーを守りつつ重厚感を出します。 - 隣地境界(裏側・隣家との間):
普段、自分たちも来客も見ない場所です。ここは徹底的にコストカットし、スチールメッシュフェンスを採用します。風通しも良く、防犯面でも死角を作らないため合理的です。

この「混ぜる」テクニックを使うだけで、外から見た印象は「総額100万円の外構」に見えつつ、実際は半額以下に抑えることが可能です。
【指名買いリスト】安くておしゃれなフェンスはこれ!メーカー別おすすめ3選
では、具体的にどの商品を選べばいいのでしょうか?
プロが自信を持っておすすめする、高コスパなフェンスを3つ厳選しました。
1. F&F「マイティウッド」
(人工木フェンスの王道)
リアルな木質感と豊富なカラーバリエーションが魅力。板の枚数や隙間の幅を自由に調整できるため、「目隠ししたい高さだけ板を貼る」といった細かいコスト調整が可能です。DIYでも人気の商品です。
2. YKK AP「シンプレオ」
(アルミフェンスの優等生)
「人工木はちょっと…」という方にはこちら。シンプルなアルミフェンスですが、デザインが洗練されており、モダンな住宅によく合います。価格も手頃で、カラーも豊富です。
3. LIXIL「フェンスAB」
(裏面も美しい気配り設計)
「隣家から見ても綺麗に見せたい」という方におすすめ。裏面のデザインにもこだわっており、メッシュとの切り替え部分でも違和感が少ないのが特徴です。木目調カラーも選べます。
どうしても予算が足りない…メッシュフェンスを「欧風」に変える植栽マジック
「それでも予算が厳しい…」
そんな場合の最終手段が、「メッシュフェンス × 植栽」の組み合わせです。
メッシュフェンスは、そのままでは無機質ですが、植物を絡ませるための「トレリス(格子)」として見れば優秀な土台になります。
ヘデラやジャスミンなどのつる性植物を絡ませれば、数千円の追加投資で、まるでヨーロッパの庭園のような「グリーンフェンス」に早変わりします。
また、フェンスの手前にシマトネリコやオリーブなどの常緑樹を植えるだけでも、視線が木に集まり、フェンスの安っぽさをカモフラージュできます。
「隠す」のではなく「利用する」発想で、ピンチをチャンスに変えましょう。
まとめ:外構は「見せ方」が9割。賢い選択で自慢のマイホームを完成させよう
予算がないことは、決して恥ずかしいことではありません。
むしろ、限られた予算の中で知恵を絞り、メリハリをつけることで、ただお金をかけただけの外構よりもずっと素敵な空間が生まれます。
- 「人工木フェンス」で、安く高級感を出す。
- 「表は木目、裏はメッシュ」で、予算を賢く配分する。
- 困ったら「植栽」の力を借りて、安っぽさを消す。
まずは、ご自宅の敷地を見渡し、「どこを見せ場にするか」を決めることから始めてみてください。
賢い選択で完成した外構は、きっとあなたのマイホームをより一層輝かせてくれるはずです。
参考文献リスト