
この記事の著者:高橋 恵子 / 消費者トラブル対策アドバイザー
元・行政書士。自身のママ友トラブル経験と法律知識を活かし、主婦のためのトラブル回避術を発信。年間200件以上の相談を受け、曖昧な態度が招くリスクと、正しい断り方の重要性を説いている。
仲の良いママ友の家でお茶をしていたら、「このアロマ、飲めるんだよ」と水を渡された…。
「これで子供の風邪も治るよ」「権利収入で将来安泰だよ」と熱心に語る彼女を見て、違和感と恐怖を感じたことはありませんか?
断ったら気まずいけど、正直怖い。
でも、子供同士の付き合いもあるし、無下にはできない…。
そんなモヤモヤを抱えているあなたへ。
ドテラには「健康リスク」と「金銭リスク」の両面があります。ここで曖昧な態度をとることは、あなた自身だけでなく、大切な家族を危険に晒すことになりかねません。
この記事では、元行政書士の視点から、ドテラの「やばい」噂の真偽を法的に検証し、ママ友との関係を壊さずに、かつ二度と勧誘させないための「鉄壁の断り方」を伝授します。
なぜ「やばい」「宗教」と言われるのか?2つの決定的な理由
まず、なぜドテラがこれほどまでに「やばい」「宗教的」と言われるのか、その正体をはっきりさせましょう。理由は大きく分けて2つあります。
1. 「飲用推奨」の危険性と盲信
ドテラの最大の特徴であり、最大のリスクでもあるのが「精油(エッセンシャルオイル)の飲用推奨」です。
一般的なアロマテラピーでは、精油の飲用は禁忌とされています。しかし、ドテラ会員の中には「ドテラのオイルは純度が高いから飲める」「食品添加物だから安全」と主張し、水に入れたり料理に使ったりすることを強く勧めます。
さらに、「病院に行かなくてもアロマで治る」といった極端な自然派思想に傾倒するケースも多く、これが周囲からは「洗脳されている」「宗教みたい」と映るのです。
2. MLM特有の人間関係トラブル
ドテラは「ネットワークビジネス(MLM)」です。
製品を広めることで報酬が得られる仕組みですが、裏を返せば「友人や知人を勧誘しないと稼げない」構造になっています。
「あなたのためを思って」という善意の皮を被りながら、実際には自分の売上ノルマ(LRP)のために勧誘を行う。この構造が、純粋な友人関係を「金ヅル」に変えてしまい、多くの人間関係トラブルを生んでいます。
「アロマを飲む」は本当に安全?医学・法律の視点で検証
「ドテラのオイルは特別だから大丈夫」という言葉を信じてはいけません。客観的な事実を確認しましょう。
AEAJは「飲用禁止」を明言
日本国内で最も権威あるアロマテラピー団体である日本アロマ環境協会(AEAJ)は、精油の飲用について以下のように定めています。
精油を飲用しないこと(うがいを含む)。
出典: 精油を安全に楽しむために - AEAJ
精油は植物の成分が凝縮された高濃度の物質です。直接飲むことは、消化器系の粘膜を傷つけたり、肝臓や腎臓に負担をかけるリスクがあります。特に、体の小さな子供やペットへの使用は大変危険です。
「病気が治る」は薬機法違反
また、「アロマで風邪が治る」「アトピーが消える」といった効果効能を謳って勧誘することは、医薬品医療機器等法(旧薬事法)違反の可能性が極めて高いです。
精油はあくまで「雑貨」や「化粧品」、あるいは「食品添加物」であり、「医薬品」ではありません。治療効果を標榜することは法律で禁じられています。
📊一般的なアロマテラピー vs ドテラの主張
| 項目 | 一般的なアロマテラピー (AEAJ基準) | ドテラ会員の主張 (一部) |
|---|---|---|
| 飲用 | 厳禁 (粘膜刺激・毒性のリスク) | 推奨 (食品添加物だからOK) |
| 原液塗布 | 原則禁止 (希釈して使用) | 推奨 (足裏などに直接塗る) |
| 効能表現 | リラックス・リフレッシュ等 | 「治る」「効く」 (薬機法違反の恐れ) |
| 安全性 | 医師の指導下以外では医療行為としない | 病院や薬の代わりとして推奨 |
【実践編】ママ友を怒らせずに断る「魔法のフレーズ」3選
リスクは理解できたとしても、実際にどう断ればいいのか悩みますよね。
ポイントは、相手を否定せず、「自分(家庭)の事情」を理由にすることです。
1. 体質を理由にする(最強)
「私、胃腸がすごく弱くて、医師から刺激物は一切止められているの。だから飲むのは無理なんだ、ごめんね」
健康上の理由は、相手も無理強いできません。「医師」という権威を出すことで、反論の余地をなくします。
2. 家族を理由にする(鉄壁)
「夫が昔、マルチ商法で嫌な思いをしたことがあって、家に入れるとすごく怒られるの。夫婦喧嘩になっちゃうから、ごめんね」
「私は興味あるけど、夫がダメって言うから…」というスタンスをとることで、あなた自身への悪感情を持たせずに断れます。
3. 価値観を理由にする(スマート)
「アロマは香りだけ楽しみたい派なの。飲むとか塗るとかは、私のライフスタイルには合わないかな」
「あなたの考えは否定しないけど、私は違う」と、価値観の境界線を引く方法です。
どうしても製品だけ使いたいなら?会員にならずに入手する方法
「ビジネスは嫌だけど、香りは気に入っている」という場合もあるでしょう。しかし、会員登録だけは避けるべきです。
一度会員になると、アップライン(紹介者の上位会員)から「ビジネスやらない?」「セミナー来ない?」という勧誘が続く可能性が高いからです。いわゆる「カモリスト」入りです。
製品だけを使いたいなら、Amazonや楽天、メルカリを活用しましょう。
これらは転売品であり、公式の保証はありませんが、面倒な人間関係や勧誘のリスクを完全に回避できます。「会員登録の手間なく、欲しい時だけ買う」のが、最も賢い付き合い方です。
まとめ:「断る勇気」があなたと家族を守る
ママ友からの勧誘を断るのは勇気がいります。
しかし、曖昧な優しさで話を聞き続けることは、あなた自身を疲弊させ、結果的にママ友との関係も泥沼化させます。
「法的に問題があることには関われない」
「家族の健康を守りたい」
この軸さえブレなければ、自信を持って「No」と言えるはずです。
もししつこく勧誘されたら、この記事で紹介した「薬機法」の話を思い出してください。そして、どうしても困った時は国民生活センター(局番なし188)への相談も検討しましょう。
あなたの平穏な日常を守れるのは、あなただけです。