ここでは大根の葉の注意点について解説していきます。
大根の葉に毒性はあるのでしょうか。本記事では大根の葉にリスクがあると言われやすい理由や、実際に大根の葉を食べるときの注意点などについてお伝えしていきます。
大根の葉の毒性は?食べても大丈夫?
よく「大根の葉には毒性がある」と言われていますが、本当なのでしょうか。
また、そもそも大根はどこまで食べることが可能なのでしょうか。大根が含有している栄養素の紹介とともに詳しく解説していきます。
大根の葉に毒性はなし。すべて食べることが可能
「大根の葉には毒性がある」というのは基本的に誤解であり、むしろ健康に良いとされています。大根の葉からは主に以下の栄養素を摂取できます。
- ビタミンA、C
- 葉酸
- 食物繊維
- 鉄分
- カリウム
- カルシウム
大根の根のところと比べても、大根の葉の方がこれらの栄養分を多く含有しているくらいです。そして大根の葉を食べることにより、むくみケア、お通じが良くなる、動脈硬化のリスクを下げる、免疫力向上、血圧安定などの効果が期待できます。
健康面・美容面ともに優秀であり、日々の食生活で足りなくなりやすい鉄分やカルシウムまで摂取できるためお子さんや妊娠中の方にとっても嬉しい食べ物です。苦手でなければ積極的に食べましょう。
では、なぜ大根の葉には危険があると言われやすいのでしょうか。大根の注意点を紹介していきます。
注意点1:ナトリウムを原因とする生活習慣病
大根の葉にはナトリウムが豊富に含まれており、ナトリウムの過剰摂取により以下の症状に見舞われる可能性があります。
- 高血圧症
- 高カリウム血症
- むくみ
- 胃癌
現代人の食生活では自然とナトリウムを多く摂取してしまいがちです。少し多く摂取してしまう程度であれば体外に排出されますが、継続的に過剰摂取しているとこれらの症状が出てもおかしくありません。
とはいえ「塩分のナトリウム含有量」に比べると「大根の葉のナトリウム含有量」は非常に少ないですから、常識的な範囲で大根の葉を食べるのであれば全く問題はありません。
注意点2:シュウ酸を原因とする尿路結石
体内のシュウ酸濃度が上がると尿路結石のリスクが高くなります。そして大根の葉もシュウ酸を含有しており、過剰に摂取すれば尿路結石になるかもしれません。
特に妊婦さんは、そうでない人に比べて尿路結石のリスクが2倍あるとされていますから、大根の葉の食べ過ぎに注意してください。また、尿路結石の再発率は非常に高いですから、一度でも尿路結石を経験したことがある方も気を付けましょう。
そして大根の葉を食べる前に必ずアク抜きをしましょう(下茹でをすればOKです)。これによってシュウ酸の摂取量を減らしつつ大根の葉を食べることができます。
シュウ酸を摂りすぎず、カルシウムを摂ることが重要!!
シュウ酸の多い食べ物について、以下の表にまとめました。
成分量(100gあたり/g) | |
---|---|
ほうれん草 | 0.7 |
ピュアココア | 0.7 |
オクラ(生) | 0.1 |
ちなみに大根の葉はほうれん草とほぼ同じということでした。
注意点3:残留農薬
大根を栽培するにあたって農薬を使うこともありますが、地上に顔を出している大根の葉の部分には農薬が多く付着しやすいです(土に埋まっている根の部分にはあまり付着しません)。
残留農薬を摂取したからといってすぐに影響が出るわけではありませんが、摂取し続けていると以下の症状が出る可能性があります。
- 腹痛
- 頭痛
- 下痢
- 嘔吐
- アトピー性皮膚炎
- 母乳や退治への悪影響
- 呼吸困難
そのため大根の葉の食べる前にアク抜きをすることが大事です。シュウ酸と一緒に農薬も落としましょう。
大根の葉 安全性については?
残留農薬について、JCPA農薬工業会は、以下のような解説をしています。
日本国内で生産される農作物からは農薬は検出されないか、検出されてもごくわずかの量です。実際、野菜や果物をそのまま食べても健康への影響は考えられないレベルの量です。しかし、よく洗って土や汚れをとるのは衛生面からも必要です。また、料理の仕方を工夫すれば豊かな味の世界が広がるのではないでしょうか。
注意点4:大根の葉の形状の問題
大きな注意点ではありませんが、大根の葉にはトゲトゲがあるため、洗う際には少し気を付けなくてはなりません(葉のトゲトゲにハリがある大根ほど新鮮と言われています)。
塩水につけてしならせてから洗ったり、ゴム手袋をつけて洗ったりすることをおすすめします。
大根の葉の食べ方、調理方法のポイント
大根の葉には色々な栄養素が含まれていますが、農薬やシュウ酸などを摂取してしまう可能性もあります。そこで大根の葉の食べ方や調理方法のポイント、さらにアク抜きの手順も紹介していきます。
大根の葉はアク抜き必須。生食は危険
大根の葉のアク抜きを必ず行い、農薬やシュウ酸を排除しましょう。大根の葉を生で食べたとしてもすぐに身体に悪影響を及ぼすわけではありませんが、継続的に食べていると何らかの症状が出てもおかしくありません。
【アク抜きのやり方】
- 鍋に多めのお湯を沸騰させて塩を少量入れる
- 大根の葉を3分ほど茹でる
- 茹で終えたら水にさらしてきちんと絞る
この手順でアク抜きをすることにより、農薬やシュウ酸をかなり排除できますから、安全に大根の葉を食べることが可能になります。
茹でる・水にさらすという工程でビタミンCが流出してしまうものの、農薬やシュウ酸を追い出すことができるというメリットの方が大きいです。
大根の葉の美味しい食べ方、レシピ紹介
続いて大根の葉の美味しい食べ方やレシピを紹介していきます。ぜひ試してみてください。
1:大根の葉のふりかけ
大根の葉の調理方法としては一番人気があるかもしれません。大根の葉を細かくカットしてみりんやしょうゆで味付けするだけですからパパっと作ることができます。また、ごま油、すりごま、細かく切った油揚げなどを混ぜるアレンジもあります。
大根の葉そのものが好きなのであれば、味付けを薄めにするといいでしょう。
2:大根の葉の炒め煮
めんつゆを使うと味がまとまりやすくなります。こちらにもごま油、すりごま、細かく切った油揚げなどが合います。
3:大根の葉のサラダ
合わせるものは何でも構いませんが、塩昆布、ナッツ、ひじきなどを入れることでミネラル・ビタミンなどを効率よく摂取できるサラダとして仕上げることができます。あえるだけで作ることが可能ですから、忙しい朝のお弁当作りにもおすすめです。
4:大根の葉のお吸い物(塩揉み)
大根の葉は下茹でしてアク抜きをするべきですが、塩揉みによってもシュウ酸を取り除くことが可能です。塩揉みした大根の葉をお吸い物のメインにするのもいいですし、お味噌汁の具にしても美味しいです。ただし塩揉みしますから、しょっぱくなりすぎないように気を付けましょう。
5:大根の葉の卵とじ
大根の葉の卵とじによって、たんぱく質、ミネラル、ビタミンなど多くの栄養を効率よく摂取することができます。また、アミエビを混ぜることで塩分の量を減らしたり、香りを良くしたりすることも可能です。もちろん卵そのものにも味はありますから、卵が好きなのであれば調味料を控えめにするのもいいでしょう。
6:大根の葉+ベーコンご飯
大根の葉はいかにも和風な食材ですが、「大根の葉+ベーコン+バターはコンソメ」と組み合わせれば、洋風混ぜご飯の具としても優秀です。大根の葉が苦手なお子さんでも食べやすいです。
大根の葉に危険性はないものの一般的なレベルの注意は必要
大根の葉に大きな危険性はありませんが、一般的な食材と同レベルの注意は必要です。アク抜きによりシュウ酸や農薬を排除したり、食べすぎに気を付けたりしつつ、安全に大根の葉を味わいましょう。