この記事の著者:西村 陽子 / 療育業界ウォッチャー
療育業界歴15年。複数の事業所運営に携わった経験から、経営と現場の両面を知り尽くす。現在は保護者向けの相談業務を行い、感情論ではなく「経営の論理」で未来を予測する冷静なアドバイスが支持されている。
担当の先生が急に辞めて、その直後に飛び込んできた「民事再生」のニュース。
「教室がなくなるの?」「うちの子はどうなるの?」と、夜も眠れないほど不安になっていませんか?
子供にとって、療育の場所は第二の家。それが突然奪われるかもしれない恐怖は、計り知れません。
でも、安心してください。コペルプラスは潰れません。
業界最大手のLITALICO(リタリコ)がスポンサーになり、事業は継続されます。
この記事では、療育業界ウォッチャーの私が、ニュースの裏側にある「再生シナリオ」を読み解き、ママが今とるべき行動をアドバイスします。
なぜ「やばい」と言われたのか?民事再生とLITALICO支援の真実
まず、「民事再生=倒産=教室閉鎖」という誤解を解きましょう。
民事再生は「生き残るため」の手術
民事再生法とは、借金で首が回らなくなった会社が、裁判所の監督下で借金を減らし、事業を継続しながら再建を目指す手続きです。会社を消滅させる「破産」とは全く異なります。
そして今回、コペルの再建を支援するスポンサーに名乗りを上げたのが、株式会社LITALICOです。
最強のスポンサーがついた意味
LITALICOは、「LITALICOジュニア」などを運営する療育業界のリーディングカンパニーであり、東証プライム上場の超優良企業です。
そのLITALICOがコペルの事業を引き継ぐということは、「コペルの教室には価値がある」と判断されたということです。
資金力のあるLITALICOがバックについたことで、教室が突然閉鎖されるリスクは、ほぼゼロになったと言っていいでしょう。
先生が辞めるのはなぜ?現場の混乱はいつ収まるのか
「教室がなくならないのは分かったけど、先生がどんどん辞めていくのが不安…」
その気持ち、よく分かります。
退職ラッシュは「一時的なパニック」
先生たちが辞めた最大の理由は、「会社が潰れるかもしれない」という雇用不安でした。給料が遅れたり、先行きが見えなければ、生活のために転職を選ぶのは当然です。
しかし、スポンサーが決まり、雇用が守られることが確定しました。これにより、先生たちの流出は今後落ち着いていくと予測されます。
さらに、LITALICOは人材育成に定評がある会社です。今後はLITALICOのノウハウを取り入れた研修が行われ、質の高い先生が安定して配置されるようになるでしょう。今は「過渡期の混乱」ですが、雨降って地固まる未来が待っています。
コペルの教材はどうなる?LITALICOとの統合で変わること・変わらないこと
「コペルの大量の教材が好きだったのに、LITALICO流に変わっちゃうの?」という心配もあるかもしれません。
コペルの「資産」は守られる
LITALICOがコペルを買収した理由の一つは、全国400教室という規模と、独自の療育メソッド(教材)にあります。これらを全て捨ててLITALICO流に染めるのは、ビジネスとして合理的ではありません。
おそらく、コペルの強みである「教材」や「プログラム」は維持されつつ、予約システムやスタッフ管理などの「運営面」がLITALICO流に改善されるという、良いとこ取りの統合が進むはずです。
【判断基準】今すぐ転塾すべき?「様子見」が賢い理由
では、結局どうすればいいのでしょうか?
私の結論は、「今は動かず、様子を見る(ステイ)」です。
1. 他も空いていない
人気の療育事業所はどこも満員で、待機児童が溢れています。LITALICOジュニアも例外ではありません。慌てて転塾しようとしても、受け入れ先が見つからない可能性が高いです。
2. 環境変化のストレス
発達障害のあるお子さんにとって、慣れ親しんだ場所やルーティンが変わることは大きなストレスです。教室が存続するなら、無理に環境を変える必要はありません。
3. 改善の期待
前述の通り、今後は運営体制が良くなる可能性があります。今の枠を手放してしまうのは、もったいないかもしれません。
ただし、「どうしても新しい先生と合わない」「子供が通うのを嫌がるようになった」という場合は別です。その時は、地域の相談支援事業所に相談し、慎重に次の場所を探しましょう。
まとめ:雨降って地固まる。新生コペルプラスに期待しよう
今回の騒動は、コペルがより良い教室に生まれ変わるための「産みの苦しみ」です。
経営のプロであるLITALICOが舵を取ることで、現場の先生たちも安心して療育に専念できるようになるはずです。
ママが不安な顔をしていると、子供にも伝わってしまいます。
「大丈夫、教室はなくならないよ」と、ドンと構えていてあげてください。
そして、もし教室に行ったら、先生にこう伝えてあげてください。
「これからも通います。よろしくお願いします」
その一言が、現場で踏ん張っている先生たちにとって一番の励みになり、結果としてお子さんへの療育の質を守ることにも繋がります。