KENTA(ケンタ)
ユースカルチャー・ライター
Z世代の音楽トレンドとTikTok発のバイラルヒットを専門に分析。Web音楽メディアで「TikTokヒットの裏側」連載中。ゴシップよりも「音楽的な価値」を大切にする。
「あの曲、なんで急に消えたの?」
TikTokで流れてくる『High School Monster』を聴くたび、当時のモヤモヤが蘇りませんか? 2年前、プレイリストから突然お気に入りの曲が消え、検索しても「不仲説」や「解散」といった憶測ばかり。公式からの説明もなく、まるで私たちファンだけが置き去りにされたような気分でしたよね。
でも、安心してください。ネット上の「不仲説」はデマです。そして何より、ロクデナシ宇宙は現在、完全復活しています。
この記事では、彼らが沈黙していた2年間の裏で何が起きていたのか、音楽ライターとしてゴシップではない「真実」を紐解きます。読み終わる頃には、当時の不安がすっきり解消され、安心してあの名曲を爆音で楽しめるようになっているはずです。
2022年の「全削除」事件:なぜ人気絶頂で消えたのか?
時計の針を2022年10月に戻しましょう。当時、1stアルバム『ろくでなし』をリリースし、TikTokを中心に人気絶頂だった彼らの楽曲が、ある日突然、Apple MusicやSpotifyなどのサブスクリプションサービスから一斉に姿を消しました。
「え、バグ?」
「検索しても出てこないんだけど」
SNS上では困惑するファンの声が溢れましたが、公式からの明確なアナウンスは一切なし。昨日まで聴けていた曲が、今日はもう聴けない。この唐突な「消失」が、ファンの間に大きな不安と、様々な憶測を生むきっかけとなりました。
特に痛かったのは、理由がわからなかったことです。もし「活動休止します」という一言があれば、私たちも待つことができたかもしれません。しかし、沈黙が続いたことで、「メンバー同士で喧嘩したんじゃないか」「もう二度と聴けないんじゃないか」というネガティブな噂が、真実のように広まってしまったのです。
【検証】不仲説はなぜ嘘と言えるのか?
ネット検索で最も目にするのが「メンバー間の不仲説」ですが、結論から言えば、これは間違いなくデマです。
その最大の証拠が、2024年5月の「復活宣言」です。もし本当に喧嘩別れをして解散していたなら、2年越しに再結成し、新曲をリリースすることなど不可能です。
実際、復活の日にメンバーのがーどまんは、自身のX(旧Twitter)でこのように投稿しています。
ロクデナシ宇宙が復活しました‼️‼️‼️
新曲のロクデナシバス配信開始しました
待たせたな‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️出典: がーどまん公式X - 2024年5月21日
この熱量の高さを見てください。「待たせたな」という言葉には、ファンへの想いと、再びメンバーと共に音楽ができる喜びが溢れています。また、もう一人のメンバーである丈も、同日に「これからどんどん作品出していくので よろしくお願いします!」とポジティブな発信をしています。
不仲説と2024年の復活は、完全に対立する事象です。 現在の彼らの連携を見れば、当時の削除理由が感情的なもつれではなかったことは明らかです。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: アーティストの「不仲説」は、公式発表がない時にネットが生み出す最も安易な「埋め合わせ」です。
なぜなら、グループ活動の停止には、契約更新や権利処理など、表には出せない「大人の事情」が絡むことが大半だからです。私は多くの事例を見てきましたが、沈黙=不仲と決めつけるのは早計です。彼らのように、水面下で再起の準備をしているケースも多いのです。
消えた本当の理由:鍵を握る「NA3TY」と権利問題
では、不仲でないなら、なぜ人気絶頂期に楽曲を削除する必要があったのでしょうか?
ここで浮上するのが、最も現実的で論理的な理由、「権利関係の調整」です。
この説を裏付ける重要な鍵となるのが、同時期に活動していた関連グループ「NA3TY(ナッティ)」の存在です。
複雑に絡み合うタイムライン
実は、ロクデナシ宇宙のメンバーである丈と、作曲を担当していたゆのは、「NA3TY」という別のグループにも所属していました。そして、ロクデナシ宇宙の楽曲が削除された2022年10月は、まさにこのNA3TYが解散を発表した時期と重なっているのです。
音楽業界では、メンバーが所属する事務所が変わったり、グループが解散・再編されたりする際、過去の楽曲の権利(誰が原盤権を持つかなど)を整理するために、一時的に配信を停止することがよくあります。
つまり、ロクデナシ宇宙とNA3TYはメンバーが重複しており、NA3TYの解散に伴う契約上の処理が、ロクデナシ宇宙の活動にも波及したと考えるのが自然です。

これが「消えた」本当の理由でしょう。彼らは喧嘩をしていたわけではなく、再び私たちに音楽を届けるために、複雑な権利の糸を解きほぐしていたのです。
2024年、完全復活。今こそ聴くべき「High School Monster」
そして2024年5月、長い沈黙を破り、ロクデナシ宇宙はEP『ロクデナシバス』のリリースと共に完全復活を果たしました。もちろん、過去の楽曲もすべてサブスクリプションサービスで解禁されています。
特筆すべきは、復活後の反響です。代表曲である『High School Monster』は、リリースから2年が経っているにもかかわらず、Spotifyの「バイラルトップ50 – 日本」でトップ10入りを記録しました。
これは単なる「懐かしさ」だけでは説明がつきません。
- 「教室の隅でヘッドホンをつけている自分」
- 「周りと馴染めない疎外感」
こうした歌詞の世界観が、今のZ世代のリアルな感情と共鳴し、楽曲そのものの力(音楽的強度)で再評価されているのです。彼らはもう、単なる「YouTuberの企画ユニット」ではありません。時代を射抜く言葉を持った、本物のアーティストです。
まとめ:おかえり、ロクデナシ宇宙。
ここまでの話をまとめましょう。
- 不仲説は完全なデマです。2024年の復活宣言がそれを証明しています。
- 楽曲が消えた理由は、関連グループ(NA3TY)の解散に伴う「権利関係の調整」であった可能性が極めて高いです。
- 現在は完全復活しており、サブスクで全曲聴き放題です。
もう、「また消えるかも」と怯える必要はありません。彼らの音楽は、今度こそあなたのそばにあり続けます。
さあ、今すぐサブスクのアプリを開いてください。そして、あの頃のように『High School Monster』を爆音で再生しましょう。2年間の空白を埋めるように鳴り響くその音は、きっと以前よりも深く、あなたの心に刺さるはずです。