スーパーで買った豆苗。キッチンで2回ほど再生栽培を楽しんだ後、「これ、庭に植えたらもっと増えるんじゃない?」と思ったことはありませんか?
でも、いざ検索してみると「豆苗 庭に植えてはいけない」なんて不穏な言葉が出てきて、びっくりしてしまいますよね。
「えっ、庭が荒れるの? 虫が湧くの?」
そんな不安から、せっかく根が出ている豆苗をゴミ箱に捨てようとしている田中さん、ちょっと待ってください!
結論から言うと、豆苗は庭に植えても大丈夫です。
ただし、「そのままポイっと植える」のはNG。それでは本当に「植えてはいけない」事態になってしまいます。
実は豆苗の正体は「エンドウ豆」。正しく育てれば、スーパーで買うと意外と高い「サヤエンドウ」が、自宅で山ほど収穫できるんです。
今回は、100均グッズを活用した「節約ガーデニング」が得意な私が、失敗しない「豆苗の錬金術」を伝授します。
[著者情報]
この記事を書いた人:菜園ママ・みどり(節約ガーデニングアドバイザー)
家庭菜園歴15年。「スーパーの野菜を再生して食費を浮かす」をモットーに、100均グッズを駆使した低コスト栽培術を発信中。かつて豆苗を庭に直植えし、翌朝には鳥に食べ尽くされて茎だけになった苦い経験を持つ。現在はその教訓を活かし、誰でも失敗しないプランター栽培を推奨している。
なぜ「植えてはいけない」と言われるの?2つのリスクと回避策
まず、なぜ「植えてはいけない」などと脅されるのか、その理由をはっきりさせましょう。
理由は主に2つ。「鳥害」と「連作障害」です。
リスク1:鳥害(ヒヨドリの襲来)
エンドウ豆の柔らかい若芽や葉っぱは、鳥(特にヒヨドリ)の大好物です。
対策なしで庭に植えると、本当に「植えた翌朝には丸坊主」という悲劇が起こります。これが「植えてはいけない(植えても無駄になる)」と言われる最大の理由です。
リスク2:連作障害(土が使えなくなる)
マメ科の植物は、同じ場所で続けて育てると「連作障害」を起こしやすい性質があります。
一度植えると、その場所では4〜5年はマメ科の野菜が育ちにくくなってしまいます。狭いお庭でこれをやってしまうと、数年間そのスペースが使えなくなるため、「安易に植えてはいけない」と警告されるのです。
でも安心してください。この2つのリスクは、「防虫ネット」と「プランター」を使えば、驚くほど簡単に解決できます。
地植えはNG?初心者こそ「プランター栽培」をおすすめする理由
「庭があるなら地植えの方が大きく育つんじゃない?」
そう思うかもしれませんが、豆苗に関しては断然「プランター栽培」がおすすめです。
なぜなら、先ほど説明した「連作障害」を気にしなくて済むからです。
地植えとプランターの違いを比較してみましょう。
📊豆苗(エンドウ)栽培:地植え vs プランター
| 項目 | 地植え | プランター栽培 |
|---|---|---|
| 連作障害 | 高リスク(4〜5年は同じ場所NG) | なし(土を入れ替えれば毎年OK) |
| 鳥対策 | 広い範囲を覆うのが大変 | ネットを被せるだけで簡単 |
| 日当たり | 移動できない | 日当たりの良い場所へ移動可能 |
| おすすめ度 | 上級者向け | 初心者・節約派向け |
参考データ: 野菜の連作障害回避 - JAグループ
プランターなら、新しい「野菜の培養土」を使えば連作障害の心配はありません。
また、エンドウは日当たりを好みますが、季節によって日差しの場所が変わる庭でも、プランターならひょいと移動できます。
庭の土を汚さず、手軽に始められるプランター栽培こそ、忙しい主婦の味方です。
100均で完結!鳥に食べられないための「鉄壁ガード術」
では、最大のリスクである「鳥害」をどう防ぐか。
ここで登場するのが、100円ショップの園芸コーナーです。
用意するもの:
- プランター
- 野菜の培養土
- 防虫ネット(または不織布)
- アーチ型支柱(2〜3本)
- 洗濯バサミ
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 苗を植え付けたら、「その場ですぐに」ネットをかけてください。
なぜなら、鳥はどこかで見ているからです。「明日やろう」と思って一晩放置しただけで、翌朝には茎だけになっていた……というのは、私が実際にやった失敗です。植え付けとネット掛けはセットで行いましょう。

収穫まであと少し!支柱立てと追肥のタイミング
無事に定着してつるが伸びてきたら、いよいよ収穫へのカウントダウンです。
1. 支柱を立てる
つるが20cmくらい伸びてきたら、巻きつくための支柱を立てます。
これも100均の「朝顔用支柱(行灯支柱)」や、ネット付きの支柱セットが便利です。プランターに挿すだけで完成します。
2. 花が咲いたら「追肥」
可愛い白い花(またはピンクの花)が咲き始めたら、「栄養が欲しいよ」のサインです。
パラパラと撒くタイプの化成肥料を少しあげましょう。
3. 収穫の楽しみ
花が散ると、そこには小さなサヤエンドウが!
- サヤエンドウとして: 若いうちに収穫すれば、シャキシャキのサヤエンドウに。
- グリーンピースとして: もう少し太らせて豆を大きくすれば、グリーンピース(実エンドウ)になります。
スーパーの豆苗が、こんな風に姿を変えて食卓に戻ってくるなんて、ちょっとした感動ですよ。
まとめ:その豆苗、捨てないで!
「豆苗を庭に植えてはいけない」という噂の正体、お分かりいただけたでしょうか?
- そのまま植えると、鳥に食べられるか、土を痛めるからNG。
- でも、「プランター」と「防虫ネット」を使えば、リスクゼロで栽培可能。
たった100円の豆苗が、数百円分のサヤエンドウに化ける。これぞ主婦の知恵、最強の錬金術です。
キッチンにあるその豆苗、ゴミ箱行きにするのはもったいない!
ぜひ、お子さんと一緒に100円ショップへ行って、プランターとネットを買ってきてください。
数ヶ月後、自分たちで育てたサヤエンドウの味噌汁を飲む朝は、きっと格別の美味しさですよ。
参考文献・出典
- エンドウの育て方・栽培方法 - サカタのタネ
- 野菜の連作障害回避 - JAグループ
- みんなの趣味の園芸 - NHK出版