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大量の服を「捨てずに」片付ける!1LDKでも週末で終わる収納の方法

「クローゼットの扉が閉まらない」「床に散らばった服をまたいで歩いている」……。
毎日そんな光景を見ては、「私ってなんてだらしないんだろう」と自分を責めていませんか?

その気持ち、痛いほどよくわかります。実は、服が片付かないのは、あなたの性格のせいでも、センスがないからでもありません。単に、あなたの生活スタイルに合った「仕組み」がなかっただけなのです。

この記事では、元・汚部屋出身の整理収納アドバイザーである私が、無理に「捨てる」ことを強要せず、1LDKの限られたスペースでも週末だけで部屋をリセットできる具体的な手順をお伝えします。

「捨てなきゃいけない」というプレッシャーから解放され、今週末、床が見えるスッキリとした部屋を取り戻しましょう。


この記事を書いた人

柳田 ミナ (整理収納アドバイザー1級)
元・汚部屋出身の「片付け伴走者」
かつては1Kの部屋を300着以上の服で埋め尽くし、足の踏み場もない生活を送っていた。自身の経験から「捨てられない人の気持ち」に寄り添うメソッドを開発。現在は、狭小住宅や一人暮らしの女性を中心に、リバウンドしない収納術を提案している。

なぜ、あなたの部屋はすぐに「服塚」に戻るのか?

まず最初にお伝えしたいのは、部屋に「服塚(ふくづか)」ができてしまうのは、あなたがだらしないからではないということです。

多くの人が片付けに挫折してしまう最大の原因は、「正しい順序」を知らないまま、いきなり「収納グッズ」を買ってしまうことにあります。

収納ケースを買うのは「最後」です

SNSで見るような、白い収納ケースが整然と並んだクローゼットに憧れて、先にケースを買い込んでしまった経験はありませんか?

実は、収納ケースと事前計測には、切っても切れない強い依存関係があります。
服の総量や、それを収める場所のサイズを正確に把握しないまま購入した収納ケースは、服を片付けるどころか、それ自体が場所を取る「巨大な障害物」になってしまいます。これが、部屋が狭くなり、さらに散らかる悪循環の始まりです。

まずは「何かを買う」のではなく、「今ある服と向き合う」ことから始めましょう。ここでの向き合い方とは、精神論ではなく、物理的な作業のことです。

💡 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 今週末、まずは部屋の床(またはベッドの上)に、クローゼットの中身を「全出し」してください。

なぜなら、多くの人は自分がどれだけの服を持っているか、視覚的に把握できていないからです。「服塚」を解消するための解決の第一歩は、現状を直視することにあります。一度すべて出すことで、「こんなにあったんだ」と自覚することが、リバウンドを防ぐ最強のワクチンになります。

捨てられない私を救う「4つの仕分けボックス」メソッド

服を全部出したら、次は仕分けです。「ときめくかどうか」で選ぶ方法が有名ですが、片付けが苦手な私たちにとって、感情で判断するのは非常にハードルが高い作業です。

そこで私が提案するのは、感情ではなく「事実(使用頻度)」で分ける方法です。
ダンボール箱や大きめの袋を4つ用意し、以下のルールに従って機械的に分けていきましょう。

迷ったら「保留」でいい。手が止まるのを防ぐルール

用意した4つのボックスには、それぞれ以下の役割があります。

  1. 一軍(今着ている服): 週に1回以上着ている、今の生活に必要な服。
  2. 二軍(季節外・たまに着る服): オフシーズンの服や、冠婚葬祭用など。
  3. 思い出(着ないけど大切な服): もう着ないけれど、思い出が詰まっていて捨てたくない服。
  4. 保留(迷う服): ここが最重要です。

「捨てられない服」と「保留ボックス」には、心理的負担を減らす一時避難場所としての重要な関係があります。
「捨てる」と決断するのはエネルギーを使います。迷って手が止まるくらいなら、迷わず「保留ボックス」に投げ込んでください。

「保留」にすることで、作業のスピードを落とさずに、目の前の服の山を減らすことができます。この保留ボックスは、ガムテープで封をして、半年間開けなければ「不要だった」と判断材料にもなります。

狭いクローゼットを2倍広く使う「空中戦」と「地底戦」

仕分けが終わったら、いよいよ収納です。1LDKの狭いクローゼットにすべての服を収めるには、空間を立体的に使う「空中戦」と「地底戦」を使い分ける必要があります。

【空中戦】一軍の服は「ハンガー収納」一択

毎日着る「一軍の服」と「ハンガー収納」は、アクション数を最小化する最適解の関係にあります。
洗濯して干したハンガーのままクローゼットに戻すことができれば、「たたむ」という面倒な家事が一つ消えます。

クローゼットのポール(ハンガーパイプ)は、一軍の服のためだけの特等席です。ここには、今着る服だけをゆとりを持って掛けてください。

【地底戦】デッドスペースを制する者が収納を制す

クローゼットの下半分や、ハンガーに掛けた服の下の空間。この「デッドスペース」と「突っ張り棒(または収納ケース)」は、収納量を劇的に増やす解決策の関係です。

二軍の服や保留ボックスは、この「地底(足元)」や「枕棚(上部)」に配置します。ここで初めて、収納ケースの出番です。

ご指定の比較表を作成しました。

ハンガー収納 vs たたむ収納:どっちが正解?

特徴ハンガー収納 (空中戦)たたむ収納 (地底戦)
適した服コート、ジャケット、シャツ、シワになりやすい服ニット、Tシャツ、デニム、下着
メリット家事が楽(たたまない)、服が見渡しやすい収納量が増える(圧縮できる)
デメリット場所を取る、ニットなどは伸びる可能性があるたたむ手間がかかる、下の服が取り出しにくい
おすすめ配置一軍(よく着る服)二軍(季節外)、保留ボックス

💡 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 賃貸のクローゼットに奥行きがある場合は、奥に「突っ張り棒」を一本足してみてください。

なぜなら、多くのクローゼットは奥行きが深く、手前しか使えていないことが多いからです。奥に突っ張り棒を設置し、そこにオフシーズンの服(二軍)を掛けておけば、衣替えは前後の服を入れ替えるだけで完了します。

よくある質問:リバウンドしないための「維持ルール」

最後に、片付いた部屋を維持するための、私からのアドバイスをお伝えします。

Q. また服を買ってしまったらどうすればいいですか?

A. 「1着買ったら1着保留ボックスへ」を徹底してください。
新しい服をクローゼット(一軍)に入れるなら、代わりに今までの一軍の中から一番着ていない服を1着選び、保留ボックスへ移動させます。捨てるわけではないので、罪悪感なく「定数管理」ができます。

Q. ズボラで衣替えが面倒です……。

A. 「衣替えゼロ」の配置を目指しましょう。
先ほど紹介したように、クローゼットの手前を「春夏」、奥を「秋冬」にするなど、場所を分けるだけで衣替えは不要になります。ハンガー収納をメインにすれば、掛ける場所を変えるだけで完了します。


まとめ:今週末、まずはダンボールを4つ用意することから

大量の服を片付けるのに、特別なセンスも、強い意志も必要ありません。必要なのは、「捨てなくてもいい」という安心感と、淡々と分けるための「4つの箱」だけです。

  1. 現状把握: 服を全部出して、量を直視する。
  2. 仕分け: 感情を挟まず、4つのボックス(一軍・二軍・思い出・保留)に分ける。
  3. 収納: 一軍はハンガー(空中)、他はケース(地底)へ配置する。

今週末、まずはスーパーでダンボールをもらうか、大きめのゴミ袋を4枚用意することから始めてみませんか?
その小さな一歩が、あなたの部屋を、そして毎朝の気分を劇的に変えるきっかけになるはずです。


参考文献

  • 一般社団法人ハウスキーピング協会. "整理収納アドバイザー2級講座テキスト".
  • 近藤麻理恵. "人生がときめく片づけの魔法". サンマーク出版, 2010. (※片付けの心理的効果に関して参照)
  • minikura. "衣替えに関する意識調査". (※服の保有枚数や収納の悩みに関するデータを参照)

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