たまに見かける、足の長いクモみたいな虫。おそらくザトウムシだと思われます。
聞いたことありますか?分かっている方もいらっしゃるかもしれませんが、初めて聞いた、あるいは名前は知っているけど見たことはない、あまりわからない・・・という方もかなり多いのではないでしょうか。
ザトウムシは、見た目が蜘蛛(クモ)に似ていることからクモの仲間と思われることがほとんどですが、実はザトウムシとクモは別ものです。
ザトウムシとは?
節足動物門クモガタ鋼ザトウムシ目に属する生物の総じた名前です。2022 年時点で、世界に6650種いることが知られています。
国内からは、80種ほどが生息していると言われています。
ザトウムシは、第二脚のいちばん長い足を前に伸ばして探りながら歩く様子が、盲人が杖で歩く姿という様なことから、「座頭(ざとう):江戸時代の盲人の階級の一つ」の名がつけられています。
また、目が小さく目立たないことから、国内では古くは「メクラグモ」と呼ばれたこともあって、中国では「盲蛛」という名もつけられています。
クモのように見える種が多いですが、クモよりはダニやサソリに近い生物です。
ザトウムシの生態ついて
4億年より前から生きていたことを示すザトウムシの化石も見つけ出されていますが、まだまだ不明瞭に多く包まれた生物として有名です。
自然のゆたかな環境に生息
ザトウムシは、渓流や森など自然豊かな所に多く生息しています。主に日があまり当たらない日陰や、湿度の高いジメジメした場所を好み生活を送っています。
品種やサイズによりライフスタイルも異なり、体長が小さなものは土壌で生活して、体長が大きいものは草や低い木の上などにおいて生活をしています。
ザトウムシは夜型
ザトウムシの多くは夜行性です。なかには、昼の明るい時間帯に動く種もありますが、このような多くは胴体の色が明るいカラーをしているのが特徴です。
夜間になるザトウムシの多くは活発に行動し始めます。
十個体以上の集団で動くことが多く、敵と直面すると臭腺と呼ばれる部位から忌避物質を出したり、死んだふりをしたり、最終的には自分の長い脚を切って逃げるということもあります。
ザトウムシは何をエサにしている?
ザトウムシの多くは肉食性であり、弱った虫や動きが鈍い虫などを捕まえてエサとしています。
また、死んだ昆虫やキノコの真菌などをエサとしているオオナミザトウムシなどの種もあり、ザトウムシは森の掃除屋さんと言われることがあります。
蜘蛛(クモ)とちがうところは?
蜘蛛(クモ)は蜘蛛(クモ)は頭・胸、腹部が2つに分かれていますが、ザトウムシは頭と胸、腹部がひとつになっているのが特徴です。
また蜘蛛(クモ)は糸を出しますが、ザトウムシは糸を出しません。
ザトウムシの活動時期って?
ザトウムシは種類によって違いますが、活動時期はジメジメしてくる梅雨の時期6月頃から、季節ごとには11月くらいまで盛んに行動するとされています。
寒さを増してくると冬眠の準備に入ります。
ザトウムシの種類は意外と多い!
世界には数千種ものザトウムシが存在すると言われていますが、日本中で確認されている種類は約80種です。
オオナミザトウムシ
頭とお腹のパーツがくっついて、体長は6mm~12mmと大型のザトウムシです。
米国での愛称は「あしながおじさん」で、黒い体とかなり長い黒い足が特徴です。
日本においては8月~11月に活動しています。見た目が蜘蛛(クモ)に似ていて、昆虫やミミズなどをエサにしています。
ニホンアカザトウムシ
四国や九州、本州の南西部に3月から11月頃に見られます。小さな昆虫やキノコをエサとしていて、3.5mmから4mmくらいのとてもカワイイ体をしています。
ニホンアカザトウムシの脚は短く太く、カラダの色は茶褐色で頭には黄色い模様があるのが特徴です。
ゴホントゲザトウムシ
5月~7月頃に見られるゴホントゲザトウムシは、国内の在来種です。
脚の長さが特徴のザトウムシでございますが、ゴホントゲザトウムシは体長1cmほどの大型で脚はそれなりに短めです。
体は黒や茶褐色で、背中の面に赤くて短いトゲが5本揃っているのが特徴です。
ヒラスベザトウムシ
ザトウムシでも大型の種です。5月~11月くらいに多発して、湿った場所や暗い場所に生息します。
胴体がオレンジカラーをしているのが特徴で、長い足はブラックをしています。
ザトウムシの危険性はなし
ザトウムシは印象が蜘蛛(クモ)に似ていますが、人へ危害を加えることはないです。毒も持っていないですし、噛みついたり、刺したりすることもありません。
足の長い蜘蛛がイエユウレイグモなら益虫です
イエユウレイグモはホワイト~乳灰色の色をしたビッグサイズの屋内性の蜘蛛。
カラダに対して異常に長い歩脚が特徴的で、北海道は除く日本中で生息しています。
巣を張って待ち伏せて捕えるタイプの蜘蛛で、ヒトにとって害のある虫(害虫)を捕獲して食べてくれる存在なので「益虫(人の役に立つ虫)」とされています。
イエユウレイグモ自体はとても臆病な蜘蛛なので人間に襲ってくることはありません。
また、毒蜘蛛ではないですから気にならない人は無理に駆除せずそのままにして益虫としての活躍を応援してあげましょう。
じつは足の長いアシダカグモも益虫です!
「アシダカグモ」も足の長い蜘蛛としては有名。 主に人家に生息し、ゴキブリなどの衛生害虫を捕食するためアシダカグモも益虫となります。
アシダカグモは夜型なので昼間に見かけることはあまりありませんが、夜になると家の中を徘徊しはじめます。
たいして人には近付きませんし、害虫だけ捕食しつくしたら勝手に外に出ていきます。
つまり、人間にとってはうれしい存在のはずなのですが、その不気味な姿態ゆえに嫌がる人も多くいます。
人に対して悪いほどの毒は持ってない
アシダカグモは捕獲する昆虫には悪影響をもたらすレベルの毒を持ち合わせますが、人間からすれば無毒に等しい位なので危険はありません。
結論として、日本国内には約1,200種類もの蜘蛛が見られます。 しかし、毒を持っている蜘蛛は実はあまり存在しません。
ですので、家の中や家の周りで毒蜘蛛と直面する可能性はきわめて低いです。
むしろ、解説してきたように害虫やハエ・ゴキブリを捕食してくれる益虫ということが多いので、実は人間としては親しみやすいパートナーといえます。
クモを駆除・対策する3つの方法
とんでもなく家の中や家周辺で頻繁に蜘蛛を見るなら蜘蛛が大量繁殖しているおそれがあり、駆除した方がいいです。
【対策1】殺虫剤で蜘蛛を駆除
蜘蛛に触れることも必要なく退治してしまうので殺虫剤は効果があります!
なお、ペットやお子さんがいる家では殺虫成分が含有されていない凍結タイプの仕様がおすすめです。
【対策2】クモの餌になる小さな虫を退治する
蜘蛛のえさとなる小さな害虫などを先に駆除さえすれば餌がないことで自然と蜘蛛も離れてきます。
【対策3】殺虫スプレーで予防する
蜘蛛の巣が張られそうなエリアに殺虫剤をスプレーしておくと蜘蛛が近付いて来ないので予防になるはずです。
実際にやってみて個人的には「対策3」がおすすめです。やはり性格的に平和な方が良いです。(笑)